2011年3月11日 4時17分生まれ
宮城県 南三陸町 佐藤 春晴
震災の日の早朝に生まれる。父・佐藤健司さんと祖母・和子さんは、春晴くんが生まれたおかげで、その日、仕事を休み、津波に飲まれず、命を救われた。「この子が生まれてきてくれたから、みんな助かったんです。本当に生まれてきてくれて、ありがとう、って、家族みんなで言っているんです」と、母・ひろみさんは微笑む。父の職場である南三陸町の老人ホーム、慈恵園では、50名近くの方が亡くなったという。震災後、健司さんは、無事だった方のお世話と、ご遺体の確認に追われた。「退院したときには、よく晴れた天気で、本当に名前のような天気。たぶん一生忘れることはできないと思います」と健司さんは言う。