2011年3月11日 15時26分生まれ
福島県 福島市 橋本 栞
震災が起きたとき、母・橋本幸枝さんは、福島市内の病院の陣痛室の中にいた。同じ病院にいた川口由紀子さんと同じように、駐車場に緊急避難し、クルマの中で出産した。福島の原発の事故のことは、ニュースで知ったが、そのときは、それどころではなかったし、こんな風になるとは思いもしなかった、と、幸枝さんは振り返る。現在、福島市で、子育てをしている。栞ちゃんにどんな未来を迎えてほしいか?という質問をすると、しばらく考えた後、「あたりまえに過ごせるっていうのが一番良いです。どんな未来っていうよりも普通に生活できたら一番ですよね」と言葉を選ぶように答えてくれた「栞」には、目印、道しるべという意味もある。「3月11日以降、この子が、名前の通り、道しるべになったような気がする」と幸枝さんは言った。