2011年3月11日 16時23分生まれ
青森県 青森市 泉 凛
母・泉優子さんは、その日午前中から、青森のクリニックの分娩台にいた。生まれる直前に、震災が起き、停電になった。「部屋がどんどん暗くなっていくので、早く生まなくちゃいけないと焦った」と優子さんは振り返る。停電していたため、出産時の体重は計れなかった。分娩台も電動なので、高いところから降りなければいけなかった。その夜は、余震が続く中、懐中電灯ひとつで過ごした。「人の痛みがわかるような優しい子に育ってほしい」と父・知弘さん。「もう健康でさえいてくれれば。奇跡のような感じで、偶然が色々と重なっているような気がするので」と優子さん。地震の中、産まれてきたから、これからも凛々しく逞しく生きてほしいと願って、祖父が「凛」という名をつけた。